若手研究者育成への貢献

①拠点若手育成専門プログラム(中国・ベトナム・モンゴル若手研究者対象)

本申請課題への東アジア参加機関のコーディネーターが推薦した、将来HBV・HCV関連肝疾患の基礎研究に従事する若手研究者を対象として、毎年1カ月間の開催を予定する。参加者は各国1-2名、総計5~8名程度で、金沢大学において開催する。優れた研究を推進している研究者を講師とする研究紹介に加え、最先端の解析機器の原理・使用法・解析法を習得する機会を設ける。各研究者は以下の担当テーマに関して講師を務める。

  • 善岡(金沢大学がん進展制御研究所教授):レンチウイルスベクターを用いた標的遺伝子発現制御システム
  • 本多(金沢大学医薬保健研究域保健学系教授):cDNAマイクロアレイ法を用いた肝・リンパ球発現遺伝子解析および次世代シークエンサーを用いたヒトゲノム解析
  • 中本(福井大学医学部第2内科教授):HBVトランスジェニックマウスを用いたHBVによる発癌機構解析
  • 島上(金沢大学附属病院特任教授):培養細胞系を用いたHBV・HCV複製モニタリングシステム
  • 山下(太)(金沢大学附属病院准教授):マウスモデルを用いた肝発癌機序の解析法・次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析法

同時に参加者は、各国において実施しているウイルス性肝疾患に関する研究内容に関して発表を行い、国際的な交流能力の向上と、若手研究者間の交流を図る。

②WPRO(WHO)への若手医師の長期派遣(金沢大学の若手研究者)

上述のように、先行実施課題及びその成果を踏まえ、コーディネーター金子のグループでは、2015年10月から若手医師を3-4ヶ月間順次WPROに派遣している。若手医師は、WPROの肝炎部署に配属され、管轄国の肝炎の疫学・公衆衛生学研究、肝炎診療の現状・問題点の把握やその改善法に関しての調査を行ってきた。本申請課題でも、この金子グループからの若手医師のWPRO派遣を継続し、肝炎の疫学・公衆衛生学研究の継続東アジアの各国での効果的な肝炎対策の推進に努める。先行実施課題実施中は、WPRO派遣者は主にHBV関連肝疾患を中心とした疫学・公衆衛生学研究を行ってきたが、本申請課題採択後はHCV関連肝疾患にも対象を拡大する。この派遣は、WPROに他国から出向している若手研究者と情報交換を通じて各国における肝炎診療に関する問題点の理解を深める点でも極めて有用である。

③若手育成奨励策(参加国全て)

若手研究者の国際会議での発表を促進するため、旅費滞在費の助成を行う。発表希望を持つ若手研究者と本申請課題参加機関のリーダーとの協議により、助成対象者を選抜して助成する。また発表後にはレポート提出を求める。

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