計画の概要

①共同研究

各拠点機関は上述した研究テ-マを以下のように担当する。1)HBV・HCV感染患者の効率的な発見と治療導入システムの構築;全機関、2)抗ウイルス薬耐性ウイルス出現機序の解明と対策の確立;四川大学(HBV)、金沢大学(HCV)、3)HBV新規抗ウイルス薬の開発;金沢大学、4)HIV・HDV共感染例への対策の確立;ハイフォン医科大学(HIV)、モンゴル国立医科大学(HDV)、5)肝炎ウイルスによる肝発癌機序の解明;ハイフォン医科大学/四川大学(HBV)、モンゴル国立医科大学(HDV)、6)HCV駆除後肝癌診断マーカーの確立;金沢大学。またベトナムとモンゴルの患者検体の網羅的遺伝子解析は、充分な解析実績を有する金沢大学へ搬送し効率的に実施する。

②セミナー(シンポジウム)

先行実施課題で第1回~3回国際アジア肝炎シンポジウムを開催し、東アジア肝炎ネットワーク参加各国のHBV関連肝疾患の臨床・基礎研究の現状、問題点の共有や克服法を探索した。本申請課題では、HBVのみならずHCVにも対象疾患を拡大し、同肝炎シンポジウムを毎年開催する。特に、先行実施課題で必要性が明らかになった網羅的遺伝子解析を用いた共同研究の進行状況や成果の報告・共有及びWHOの推進するグローバルな肝炎ウイルス対策の普及を図る。また拠点若手育成専門プログラムを金沢大学で毎年開催し、中国・モンゴル・ベトナム各国から若手研究者1-2名を参加させ若手研究者を育成する。このプログラムでは、約1ヶ月間、金沢大学が行っている研究の紹介や最先端の解析機器の原理・使用法・解析法の習得することを目的とする。

③研究者交流

上記の国際アジア肝炎シンポジウムや拠点若手専門プログラムへは各国若手研究者が参加する。またシンポジウム中及び金沢大学への1か月間の滞在期間中参加者間で各国のウイルス性肝炎診療の現状や問題点に関して情報交換を図ることで交流する。さらに金沢大学の若手医師・研究者を、WHO西太平洋支部(WPRO、マニラ)へ3-4ヶ月間派遣し、WHOとの肝炎疫学・公衆衛生学に関する共同調査を行い、WPROの研究者との交流や情報交換を実施する。

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