研究会開催記録

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「第5回咳嗽研究会」

7:喉頭過敏症と考えられた1症例

○内藤健晴1)、斉藤正治1)、伊藤周史1)、堀部智子1)、馬場錬2)

(藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学教室1)、県立愛知病院耳鼻咽喉科2))

当初、喉頭アレルギーあるいはかぜ症候群後遷延性咳嗽(PIPC)が疑われたが、最終的には原因不明の慢性咳嗽と咽喉頭異常感を訴えるいわゆる「喉頭過敏症」と考えられた1例を経験したので報告する。

症例は、58歳の女性で、主訴は4ケ月来の乾性咳嗽、咽喉頭異常感。喉頭ファイバー検査:喉頭披裂部に極めて軽微の発赤を認める以外異常なし。副鼻腔・胸部X線検査:異常なし。肺機能検査:正常。メサコリン吸入検査:20000γまで陰性。カプサイシン咳閾値検査:4.0μM。鼻汁中好酸球検査:(−)。血液検査:貧血(−)、CRP(−)、血清総IgE値27.4IU/ml、RAST スギ、カモガヤ、ダニ2、イヌ、ネコすべて陰性。百日咳抗体価 トウハマ株20、ヤマグチ株20。胃食道透視:正常。当初はアゼプチン(1日2錠、分2、食後)と麦門冬湯(1日3包、分3、食前)で咳嗽は消失したが、異常感が頑固に残存したので、麻黄附子細辛湯を投与したところ異常感も消失した。

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