研究会開催記録

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「第4回咳嗽研究会」

5: 気道知覚神経のバニロイド受容体(カプサイシン受容体)に対する内因性カナビノイド受容体アゴニスト、アナンダミドの作用

○加賀谷 学1、Domenico Spina2、Clive P Page2、伊藤武史1、佐野正明1、佐々木昌博1、三浦 傅1、塩谷隆信3

  • 秋田大学医学部第二内科1、秋田大学医療短期大学部理学療法科3
  • GKT School of Biomedical Sciences, King's CollegeLondon, University of London2

1997年にD Juliusらによってバニロイド受容体(VR1:カプサイシン受容体)がクローニングされた。現在辛味物質カプサイシン吸入刺激により咳嗽が誘発され、咳過敏性検査の手段として用いられているが、この反応は気道内あるいは近傍の同受容体の刺激により誘発される可能性が高いと思われる。しかしカプサイシンの存在しない生体内で観察される咳嗽発生メカニズムについては不明の点が多い。今回、生体内脂質でカナビノイド受容体内因性アゴニストのアナンダミドに着目し、モルモット気管支および頚部迷走神経に対する影響を検討した。その結果、アナンダミドはVR1を介してカプサイシンに類似して気管支収縮反応を誘発し、また頚部迷走神経の自発脱分極反応を発生させた。したがって、気道系疾患の病的状態において、生体内脂質のアナンダミドが咳嗽誘発に関与していることが推察された。

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