研究会開催記録

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「第4回咳嗽研究会」

2: アトピー型患者における経気道的抗原吸入負荷試験の咳受容体感受性に対する影響

○美濃口健治1、美濃口秀子1、小田成人1、横江琢也1、田中明彦1、松尾洋史1、宮本正秀1、和田記代子1、橋本直行1、田崎俊之1、河野泰郎2、木原令夫2、足立 満1

(昭和大学第一内科1、木原病院呼吸器科2

目的

アトピー型喘息患者に経気道的抗原吸入負荷試験を施行し、気道炎症、気道過敏症および咳受容体感受性に対する影響を検討した。

方法

ダニに対しアレルギーを有する喘息患者18名を対象に、カプサイシンに対する咳受容体感受性、ヒスタミンに対する気道過敏性、および誘発喀痰中の好酸球比率について検討した。1週間後無作為に患者を2群に分け、生食またはダニ抗原を経気道的に吸入投与した。吸入24時間後にカプサイシンに対する咳受容体感受性、ヒスタミンに対する気道過敏性、および誘発喀痰中の好酸球比率について再度検討した。

結果

生食吸入後は、全てのパラメーターに有意な変化は認められなかった。ダニ抗原吸入24時間後、喀痰中の好酸球比率は有意に増加し、気道過敏性も有意に亢進した。しかし、カプサイシンに対する咳受容体感受性には有意な変化は認められなかった。さらに、喀痰中の好酸球比率の増加量とカプサイシンに対する咳受容体感受性の変化量には有意な相関が認められなかった。

結論

アトピー型喘息患者では、咳受容体感受性は気道炎症や気道過敏性には影響されないことが示唆された。

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