研究会開催記録

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「第3回咳嗽研究会」

7: 喉頭アレルギーにおける咳の発症に関する実験的研究

  • ○前山忠嗣(福岡徳州会病院アレルギー科)、
  • 和田 繁、草野謙一郎(福岡徳州会病院耳鼻咽喉科)、
  • 津田邦良(佐賀医科大学耳鼻咽喉科)

目的

喉頭アレルギーの主要症状である咳嗽の発症メカニズムを検討するために、ネコの喉頭粘膜にヒスタミンを作用させ、咳嗽惹起の有無などについて観察した。

方法

実験にはネコを用いた。ペントバルビタールナトリウムを副腔内に投与して麻酔を行い、必要に応じて適宜追加した。頚部正中切開を行い喉頭、上喉頭および反回神経を露出した。また喉頭の軟骨を切開し喉頭を開いた。上後頭神経の求心性インパルス、声帯筋の筋電図および呼吸の変化を観察記録した。

結果

喉頭粘膜にヒスタミン液(10-4mg/生食水1ml)を約0.05ml滴下すると上喉頭神経の求心性インパルスは著明に増強した。声帯筋の活動は増強し、呼吸数は増加し、また嚥下が頻発した。10-2mg/生食水1mlを滴下すると、その直後より咳嗽が連続して誘発された。

考察

喉頭アレルギーにおいてはヒスタミンによる知覚神経の刺激によって咳嗽が惹起される可能性が考えられる。

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